2008年10月10日金曜日

Middle East

こんばんは。

今日は中東。そう、世界の紛争の中でもトップクラスに有名なイスラエル/パレスチナの話。

こっちに来て大学院の授業でMiddle Eastの授業を履修しているけど、実はさり気に特に今まで中東に関してはあまり勉強したことがないんだよね。なんか、ひたすら戦いが続いているってイメージと、Israel(ユダヤ人)がPalestineに入植して、そこから土地争いが始まったってくらいしか。しかも、個人的なイメージではPalestine側は、イスラムの過激派的なネガティブなイメージがあったし。イメージって知らず知らずのうちに形成されるものだけど、なかなか影響力は大きいよね。

まだ始めたばっかりだけど、かなり印象が変わってそれが結構衝撃だったので、今日はそのことを。

かなり大雑把にすると:
・第1次大戦後に旧オスマントルコ領だったパレスチナにイギリスの占領下でZionist(Palestineにユダヤ人の国家を建設することを目的とするユダヤ人の一派)が人口の構成比率(圧倒的にアラブ人が多数派)とは無関係に優位な立場で自治が可能となった。ちなみに、アラブ人の中ではSyriaとかを含めたアラブ国家を建設する動きもあったけど、パレスチナに限って言えば、アラブ人の中で旧オスマントルコ時代に"支配的な地位にいたアラブ人"は新たな占領者のイギリスの下である程度の政治的な地位が維持されるとの期待で当初はそれ程抵抗はしていない。

・時は流れ、第2次大戦。Zionistにとっては、ユダヤ人国家の樹立を認めるようでなかなか立場のはっきりしないイギリス統治に反感を抱く組織がイギリスの統治を対象にテロ活動を開始。イギリス出ていけって。それと同時にユダヤ人国家の建設に反対するアラブ人にもテロ活動。アラブ人側もこれに応戦。大戦中に国を追われたユダヤ人がさらに入植。ユダヤ人の入植に伴って土地を追われたアラブ人は1MMを超えるとも。

・ここまでもなかなか強引、って思えるけど、さらに衝撃なのは次のセリフ。
1940年代後半のユダヤ人国家の樹立を訴えるZionistのstatementで(勝手に日本語に訳すと)『…我々は平和と共存を隣国とその国民に申し出ている。しかし我々に突き付けられているのは、白日のように明白なものである。それは、今日のまさにこの日まで、我々が依然としてヨーロッパでのホロコーストの継続に直面している(すなわち、我々イスラエルの土地に住むユダヤ人は殺戮に直面している)ということを、人々がなぜ理解できないのか我々は分からない。』

⇒ちなみに、ちゃんとした内容はそのうち、備忘録のページ("いいか忘れるなよいいさ忘れちまえ♪"ってページ)に書くかも知れませんが、今日はザックリとね。

確かに第2次大戦ではユダヤ人がヨーロッパで迫害されたけど、今度はPalestineでユダヤ人の入植でアラブ人が土地を追われることになっている状況を生んでおいて、このセリフはすごいよね。アラブ人の立場は?どう考えるの??って。もやは目的のためには手段を選ばない系になっているよね、って感じ。

ついでに、今までは(争いをしているんだから)どちらにもそこそこ言い分はあるんだろうなって思っていたけど、今のPalestine人側は旧Palestineの22%の土地の分割統治(逆にIsraelは残りの78%)で手を打とうとしているってのも、とっさの心証は「なんて譲歩しているんだ。」って。だって、もともと自分たちが住んでいたんだよ?相手は後から来た(19C以降基準で)人なんだから、最低限半分は要求するでしょ。もしくは人口比率とかで(人口比率なら過半数以上はアラブ人のものになるし)。なんか切ない。

とは言っても、自分の目標はあくまでmediator。そんな状況でも、どっちかに肩入れせずに自分のposition(可能な限りの中立:とは言っても人なんだから完全な中立なんてありえないけど)を貫けるようにならなきゃ。

かなりの挑戦。人によっては好戦的とも言われる自分からすれば。ちょと違うんだけどね。戦いは嫌い。面倒だし時間も無駄。だから基本は回避が優先。でも、あまりに理不尽なこと言っている(かつ自分に実害がある)人には、「それっておかしいよね?何を考えているのか分からないよ。」って思わず言ってしまうのもホント。う~ん、ホントのmediatorになれるかはまさに自分との戦いな感じです。楽しそうでしょ?

説明文が長かったせいか、かなり長文に。ま、早くも今日で今週は終わったので、朝の心配はないけどね。

ではでは。おやすみ。
Tom