2010年5月8日土曜日

核のない世界

は来ないと思う。

残念だけど。結局誰だって自分を守ってくれる武器を捨てるなんて出来ないと。今の世界でも核兵器を新たに持とうとしている国たちだって、核兵器を持つことが他国からの武力介入の可能性を極限にまで減らすことができる一つの方法だと思っているから開発を進めているわけだし。

それに仮に核兵器の全廃が実現できたとしてもまだ懸念事項は残り続けると思う。だって、過去に核兵器を保有していた国ならば持とうと思えばいつでも再配備可能なのだから、核開発への欲求はくすぶり続けるはず。

では、目指すべき姿はどうあるべきなんだろう? 最終的は目標は核兵器が使用されるリスクを極限まで下げることにあるんだと思う。その一環として核保有国をなるべく少なくすることに意味はあると思うけど。

例えば、非核保有国に核開発を禁じる今の条約だけでは不十分だと思う。禁止するだけじゃなくて、核開発をしないことへの誘因を与えなければいけない。

日本が核を(自前では)持っていないのは、被爆国として核を持つことの道義的な問題もあるけど、究極のところアメリカの核の傘で守られているからだと思う。加えて、開発する意思があればそこそこの時間で開発することができる、ってのもあると思うけど。

で、思うのが現状の非核保有国のすべてに対して、核保有国(特に5カ国)が共同で核の傘の提供を約束するスキームを作り上げること。こうすることで核開発を原因にした軍拡競争(例えばインドとパキスタン)にはある程度の歯止めがかけられると思う。だって、仮に一方が核武装したとしても、それを行使することは5核保有国の核の傘に挑戦することになるのだから。選択肢として現実味はなくなるはず。

とは言いつつも、“核兵器を保有すること”が敵対国の通常兵器による侵攻に対する抑止力にすらなる、という点に関しては共同の核の傘の提供ではカバーできないけど。

でも、全ての非核保有国に核の傘を提供することが出来るなら、現時点の非核保有国の核開発の建前である“核の保有の有無”による不平等状況は大幅に是正されるのでは?

目指すべき究極の目標は核の放棄に置きつつも、現実的な第一歩として核兵器を使用できなくなる状況を作り上げるように努力すべきなんだと思う。

そんなことを思ったり。

ではでは。またね。
Tom