2008年10月23日木曜日

Battle for Haditha

今回は久々に映画ネタ。

今日観たのはBattle for Hadithaというイラクをテーマにした映画。内容は「アメリカ軍の分隊が移動中に、路上爆弾で攻撃されて、仲間を失った残りの兵士が逆上して犯人追跡中に民間人を20数名無差別状態に殺した実際の事件をベースにしたもの」、らしい。

内容は反戦映画そのものって感じだったので、観ているときに「これってどれくらい実際と同じだったんだろ?(特に民間人を殺しているシーン←映画では無抵抗どころか有無を言わさず撃ち殺していたので)」とか思っていたけど。反戦って趣旨からは、衝撃的な映像にして効果を強調しているのかな?とか。

でも、次第に思ったのは、そういうシーンが現実とどの程度同じか?なんて第3者くらいにしか意味のないことなのかもってこと。たぶん、当事者(特にイラクの民間人)にとってみれば、アメリカ軍に民間人が(一方的に)殺されたって事実だけで、十分反米・反ヨーロッパという感情が当然出てくるよね、ってこと。民間人の犠牲を最小限に抑えることは?なんて考え方は、攻撃している方の価値観で、被害を受けている側の考え方ではあり得ないな、って。

実際に、イラクでの戦争は、正規軍対正規軍の戦いではなくて、市街地でのゲリラ戦。開戦当初のアメリカ軍は、対正規軍の訓練は受けているけど、市街地での民間人に紛れたゲリラとの戦術の訓練は受けていなかったことが問題になったらしい。ゲリラからの攻撃でアメリカ兵の犠牲が多数出て、当然アメリカの世論は反戦若しくは反Bushになってしまうから、アメリカ兵の犠牲を避けるには、過剰な攻撃でいわば手当たり次第に打ちまくる戦術を当初採用したらしい。その結果、イラクの民間人の死者の多さが問題になっているとか。今回の映画もその一連の流れの中にあるのかなって感じ。

これへの対処法としてアメリカ軍は、市街地でのゲリラ戦に優れている軍隊に訓練を依頼したらしい。その相手はイスラエル。なんかちょっとねって感じ。悲しい皮肉とでも言うような。

ちょっと気分を変えて、もう一つ別の映画を。

こっちのタイトルはthe Fog of War。McNamaraというKennedy & Johnson大統領(1960s:キューバ危機+ベトナム戦争)時代の国防長官の人生訓or回顧録といった感じの内容。今となってはおじいちゃんのMcNamaraの格言集みたいな感じで、その中の小題の一つに、世の中確実なんて物は無いんだからって流れで"Never Say Never"ってテーマがあったんだけど、そのテーマの中(もしくは直後に)昔話で気分の乗ってきたMcNamaraが"I've never seen..."って言っていたよ!! いきなり破っているじゃんって軽く心の中で突っ込んだよ。ちょっとシリアスな場面で笑う雰囲気では無かったので。ちなみに、"Never Say Never"の最初の"Never"ってフレーズ自体も軽い自己矛盾していない?とか、その後はここのセリフがずっと気になって仕方なかったよ。

ま、最近見た映画はこんな感じかな。たまにはお笑い系の映画でも見てみたい気分。

ではでは。
Tom