2008年11月26日水曜日

Just War 2

再びdueが近づいてきたので。。。

Just Warの概念は、jus ad bellumjus ad belloの2つに分けて説明されることが多いらしいので、今日はそのうちのjus ad bellumについて。(前者は正当化されうる戦争の理由(justifiableな開戦理由?)の考察で、後者は正当化される戦争の遂行(交戦規定のようなもの?)と言った内容。)

jus ad bellumについて、下記の4つが正当化され得る理由だとある研究者は言っていた:
①立場の弱い人を守る
②(不当に)奪われたものを取り返す
③悪を罰する
④自己防衛

なんとなくこれだけだと(正当化される理由として)ありかな? とも思えるけど、これをちょっと実際の例に置き換えてみよう。例えば、第2次大戦前の日本を例に:
①経済制裁等で苦しんでいる日本国民を守る
②経済制裁で失われた(海外にある)経済資源へのアクセスを取り戻す
③日本を苦しめているアメリカを罰する
④このまま経済制裁が続いたら、国の存続が脅かされるので予防的に自衛の為の戦争を起こす必要がある(予防的 = preemptiveという言葉は、確かアフガンに攻め込んだ時にUSも使っていた気がする。。。)

とも言えるのでは? もちろん、ダメだよね。第2次大戦の日本の開戦を肯定する気はないよ。ただ、当事者になっちゃった場合には、いくらでも自分の行為を正当化する(くらいの理論は作り上げる)と思うんだよね。一応、国として戦争を起こすって意思決定したような場合には。そうすると、ここで言われている4つの要件も危ういよね。というか、当事者が自らを正当化することは出来ない気が。喧嘩両成敗的な←意外とこの言葉って的を得ている気が最近してきたよ。

理想はいいんだけど、現実に適用することができるか?は疑問。

最近話題の金融危機も理想と現実の狭間って観点が当てはまると思う。ささやかながら、この金融危機を作った(少なくとも煽った)要因の一つは、震源地のUSで最近導入された会計基準 (FAS 157)にあると思う。ざっくり言えば、全ての金融資産を時価評価しましょうって基準。理想として、全ての資産を時価評価は、会計の方向として正しいと思うけど。でも、現実に適用する場合には、どうやって時価評価?って問題が。今までは、時価が分からないから、時価評価しないって前提だったのに。

時価の取れないものを時価評価する、かつ、同じ会計基準を採用している企業同士で恣意的に時価の決定が行われないように、時価の取れないものの評価方法が基準で決められているんだよね。特にイヤだった例としては、marketが無い (= 価格が取れない) 資産について (市場外で)直近で取引された同種の資産の取引価格を用いて、価格を付け替えるって基準。

なんで、これの考え方に不満なのかと言うと、自分の持っている持分比率(たとえば過半を持っていたとしよう。)に関係なく、少量であっても取引されたらその価格を全てに適用するって。普通に考えたら、自分が大量に持っていてそれをmarketで全部売ったら、希薄化で価格が落ちるのに(適用にあたっての恣意性を排除するため?)それは考慮しないで価格を一律につけることに。

ここで、ちょっと証券化商品のmarketが縮小して商品の取引が行われなくなり(前述のmarketがない場合のpricingが適用されるカテゴリーに落ち)、かつ、みんなあわてて売りに入るから(実際の価値より)安い価格でも売ってしまったりすると、それを全ての同種の資産に付け替える⇒評価損が生まれる、の負の連鎖が起きた気が。今の基準(形式的な価格決定)がなければ、ある程度、合理的に資産価値の考慮が行われて、ここまで急激に評価損が起きなかったと思うんだよね。。。長々と書いたけど、伝わったかしら?

ちなみに、付け加えると会計士は悪くないよ(笑)(というか判断する立場に無いというのが正しいのか)。だって「会計基準に書かれている通りに実務が運用されているか?を確認する」のが仕事なんだから。昔に上司が言ってたよ「良いか悪いかを判断するのが我々の仕事ではない。会計基準に準拠しているか?が全てだ。」と。まぁ、それはそうだと思う。とは言っても、会計基準の策定に関わっているから、(悪くないと言い切れるかは)微妙か。でも、善悪の判断とかの余地がないってつまらないよね。いいものはいい、ダメなものはダメと言いたい。

勝手にまとめに入ると、理想主義的な考え方も必要だけど、現実主義的な観点も必要。そしてバランスも大事。どっちかに偏っても、言っているだけで何も実現できないor単なる現実肯定になっちゃう気がするし。願わくは、理想主義49% & 現実主義51%が自分の目指すところかな。ちょっとだけ現実主義派♪

ではでは。ここまで読んでくれてありがとぅ♪
またね。
Tom