2012年3月28日水曜日

シェルターの子供たち

子供たち、と書くと語弊があるけど、
彼らは職業訓練に通う青年たち。年齢は二十歳前後。

彼らは元々はストリートで生活をしていて、
ジュバ市内で行ってきたストリートチルドレンを
対象にした啓発活動に参加していた子供たち。

そこでは薬物乱用防止や犯罪に手を染めないように
という啓発活動を行っているけど、路上生活を送る
彼らの生活に出口は見えづらい。。。

だから、彼らを支援する仕組み造りが必要。

中には、路上生活からの自立の1つとして、
職業訓練に参加する(できる)青年たちもいる。

彼らは6週間の訓練(調理実習や給仕の知識)と、
4週間のOJTを経て実際にジュバ市内のホテルやレストランに
就職することを目標に支援を行っている。


ちょっと上で、元ストリートの子供たちの中にも職業訓練に参加“できる”子供たちがいる、とあえて書いたのは、そう、実際に訓練に参加できるのは、限られた人数の子供たちでしかないというの現状から。

路上生活が長い(場合によっては、人生の大半を路上で生活してきた)子供たちにとっては、他人と協力して一緒に働いたりする以前に、社会生活を周囲のみんなと一緒に送るための準備というか用意をしなければならない。

彼らを社会復帰させるには、やはり究極的には、児童保護施設を作って
その中で、施設卒業時には仕事に就けるように一定の技術訓練をする
必要があると思う。

親や教師がいなかった、彼らの親となり教師となりそして兄となり
社会に出て行く準備をサポートすることができなければ、
彼らのような子どもの自立は難しい。

そんな中、うちの職員(ソーシャルワーカー)は、毎日彼らが
住んでいる家(シェルター)に通って、日々の生活の悩みや
不安について親や先生のように相談に乗っている。

ちょっと見た目は怖めのヒゲのおじさんだけど、子供たちが
彼の前ではすごく穏やかな表情で話している様子から、
彼が子供たちから信頼されている様子が伝わってくる。

今のシェルターは、近所の住民とも交流せざるを得ないような、すごく周囲のコミュニティが身近にある場所。これも、うちのソーシャルワーカーからの提案で、社会に復帰することを目指しているのだから、周囲の住民と共同生活を営むような場所にしなければいけない、って。

もちろん、元ストリートの子供たちだから、近所の住民とも揉めることもあって、でも、そんな時はソーシャルワーカーの彼がいつも近所の住民に謝りに行って、
子供たちの社会復帰への理解をしてもらえるように頼んでいたり。

なんて、仕事熱心な人なんだろう。すごく学校の先生っぽい、って
自分が始めて会った時に思ったんだけど、実際に、本当に元教師だった(笑)
彼だけじゃなくて、他にも路上生活を続けている子供たちのために
熱心に活動している現地職員がたくさんいて、すごく心強い。

今もまさに実施中の職業訓練の中に、彼らのような元ストリート出身の
青年たちが混じって一緒に社会に出て行く準備をしていると思うと
彼らの行方を見守りたい、そんな気持ちになる。

子どもたち、と書いたのは、なんか、自分には子どもはいないけど、
彼らが自立して就職している姿を見ると、なんかとても嬉しくなるし、
この仕事をしていて良かったと思えてきて。
なんか、子どもたち、って思えてくるから。

前にもちらっと書いたけど、去年の5月に職業訓練コースを卒業した
元ストリートの青年が、今は自分がジュバで泊まっていたホテルの
近くのレストランで働いていて、ジュバ最後の日の昼間に、
そのレストランに様子を見に食事しに行ったら、彼がずっと
自分たちのテーブルの担当をしてくれて、働いている様子から
ちゃんとした青年になった様子が伝わってすごく嬉しかった。
この文章を書いている今も軽く泣きそう(笑)

ずっと、東京で報告書ベースでは彼の様子も読んでいたけど、
やっぱり実際にフィールドに行って歩き回るのはいい。

そう思えたジュバ出張だったよ。

他にもいろいろ書きたいことはあるので、
また時間を見つけてupするね。

ではでは。またね。
Tom