2011年1月26日水曜日

泥沼

ロシアの空港でのテロ。

昔読んだアフガンでのイスラム過激派の訓練キャンプに参加した人のインタビュー記事を思い出した。

90年代の中頃のアフガンでの訓練キャンプでの教育プログラムの一つに、イスラム聖戦士(過激派)にとって一番重要な聖戦は、対ロシアの闘いである、と教えられた、とあった。

ロシアでのイスラム教徒の実情を全く知らない自分からしたら、イスラム過激派にとって一番重要なテーマはイスラエルでは? と思いながら読んだ記憶がある。

でも、今回のテロを受けてのニュースでは、ロシアはチェチェン地方で現在もイスラム過激派掃討作戦を実行中で、ここ何年かは1,000人程を過激派として殺害しているらしい。

前にも書いたけど、“テロ”という戦略は「負けることがない戦い方」なんだよね。だって、一般市民に扮して生活しているテロリストを(ロシア政府が言うように)根絶やしにすることなんて不可能だから。

一方で、テロに対して断固武力での制圧を目指す戦略は「勝つことがない戦い方」だよね。年間1,000人近くも殺害していれば、殺された人の親族や友人は当然ロシアに反感を持つ。そんな人の中から、次々に過激派への志願者が出てくるにきまっている。ロシア政府が武力による弾圧を強めれば強めるだけ、相手のイスラム過激派が強くなってしまうから。。。

「負けることがない戦い方」をしているイスラム過激派に対して、「勝つことがない戦い方」をしているロシア政府。この構図のままでは、平和はいつまで経っても実現できないのでは?

アメリカがアフガンでの戦争に失敗したように、テロへの戦いは、武力によってのみでは解決できない。人々がテロリストを支援しなくなるように働きかけなければ、本質的な問題の解決にはならない。

まぁ、自分は、今は穏やかにアフリカのスラム街での家畜の育成事業のレポートを書いていたり。あぁ、平和構築のプロジェクトに関わってみたいな~。

ではでは。またね。
Tom