2010年10月27日水曜日

両刃の剣

今回は前回の続き。この前は一気に書き綴ったけど、
いま一つテンションが上がらずにほったらかしに。

このままでは、2つ目を書くタイミングを逃してしまいそう。
さすがにそれは気持ち悪いのでササっと書いてみようかな、と(笑)

前回書いたように、現在の中国の内情は不安定である。
人口の9割を超える漢民族による支配体制とその他多数の少数民族の対立、
現在の総人口約12億人(?)に対して2億人程いると言われる貧困層の問題。
これらはリンクしているわけではなくて、漢民族の中にも富の分配の差がある。

そして今、中国は経済成長の真っただ中にある。
経済力の基礎となるものは人口だと思う。

今後、日本の経済力が中国に抜かれるのは当然だと。
考えてみれば、日本人であるから優秀な人材である、なんてことはありえない。
結局、その国に、どれだけ優秀な人材がいるか? は、その母体となる人口の大きさに
依存する問題だと思う。

仮に日本人に100万人の優秀な人材がいる(人口比1%)とすれば、
中国人にだって同じような比率で、優秀な人材が生まれることになる。
総人口が12億人なら、その1%といえば1200万人。
これからも人口が増え続ける中国が、人材、といった観点から
日本を超えるのは想像に難しくないと思う。

ただし、これを達成するには人口の大きさ、という視点に加えて
もうひとつ重要なファクターがあると思う。
それは教育水準。

どれだけ優秀な人材になるポテンシャルを持っている人がいても、
その人に一定水準の適切な教育を施すことができなければ
結局は、その人を優秀な人材に育て上げることはできない。

教育水準の底上げは中国にとっては極めて重大な問題だと思う。
経済、金融、科学技術、どれをとっても教育により優秀な人材を
育てる必要があると。

ただし、現在の中国でタブーになっていると思われる教育分野が存在する。
それは政治社会の分野。

これを切り離したままその他の分野のみ優秀な人材を育て上げることは
可能なのだろうか?

難しいと思う。

端的に考えても、経済と政治は密接に絡んでいる。
まぁ、意外と政治分野を専門にしている人でも、経済的視点は持っていない人も
多かったりするけど。

イギリスにいた時の平和学の修士課程の教授たちも自分が講義を聞いた限りでは、
現在の企業活動や、金融市場についてほとんど理解がないように思えて
軽くショックだったし(笑) 笑えないか。。。

あぁ。脱線。

もとに戻して、経済について考える場合、経済政策、という視点がある。
そして、その経済政策の決定は政治が行う。
そう考えただけでも、政治と経済が連動している、と言えると思う。

また、どの分野を専攻するにも、他の地域・国ではどのようにやっているのか?
と比較・分析の対象にすることもあるだろう。

そうすれば、当然、中国とその他の世界、と言った視点も必要になってくる。

どんなに統制したとしても政治・社会に関する知識は、徐々に教育の過程で
人々の間に広まっていくと思う。

その後、外の世界の政治と比較・検討したうえで、中国人が現在の一党独裁の
政治システムを支持するのか、それとは別の(例えば民主主義、分離・独立運動)
政治システムを望むのか、はまだ分からない。

ただ、一つ言えるのは、政治参加や経済活動の不平等がある状態で、
自分自身が不利な状況に置かれている場合に、それを甘受する、というのは
想像に難しいということ。

ざっくりと言えば、このような理由で、経済的な発展は中国にとって
望ましいことではある一方で、現在そして将来の政治・社会体制に
とってのリスク要因であるとも言える気がする。

第2次大戦後の中国建国以来、中国の政治は、現在の中国の構築に
重大な影響を与えてきた。それに比較しても、これから先50年に渡って、
中国の政治家がどのように政治的課題を克服していくのか、より重要で困難な
判断が必要になる気がする。

こんな感じです。長かったね。

読んでくれた人、ありがとう。

ではでは。またね。
Tom