2010年10月20日水曜日

不安定な隣人

自分の隣人が情緒不安定でどんな行動にでるのか読めなかったらどう思うだろう。
誰だってイヤなはずだ。

願わくば少なくとも相手の行動パターンが読める方がいいに決まっている。
さらに言えば相手が理性的(合理的)であればいうことはない。

今回の不安定な隣人とは中国をテーマにしたもの。

自分から見て不安定と思える点は2つあると思う。

1つは今現在の政治社会情勢での不安定さ、分かりにくさ。
もう1つは将来における国としての安定に関する不確かさ。

まずは1つ目。現在の話。
ニコニコ笑って友好と話しかけてきたと思えば、急に敵対的な態度をとってきたり。
でも、これは逆に相手側から見れば相手の目にとっても、日本もそんな風に
映っているのだろうけど。

同じ事象を見ていても、それをどうとらえるか? は人それぞれ。

例えば、目の前にバナナがあったとしても、それを
・三日月みたいな形のもの
・黄色いもの
・果物
とかいろいろな判断(理解)の仕方があるように。

しかも、大抵の場合には、こんな中立的なものの見方のみならず、その物事に対する
個人の感情が一緒に合わさって理解される。つまりバナナを
・おいしいと感じるなら、好き
・まずいと感じるなら、嫌い
と言った感じに。

どういう風に物事をとらえるのかについては、それぞれの人の過去の経験によって
変わると思う。別の言い方をすれば、どういった観点から物事を理解しようとするか、
ということ。ここで言う、“過去の経験”で重要なウェイトをしめるのはその人が
受けてきた教育の内容だと思う。

現在の中国で頻繁に起きている反日の抗議活動にも、日本は忌むべき存在、
という教育が中国で行われてきたのが強く影響していると思う。

普通に考えて、子供のころから、“この人(国)の言うことは信用できない。
昔から酷いことをされてきたんだよ。”と教えられ続けてきたら、
誰だってその対象を嫌いになる。

ここで思うのが、“教育”を通じて、という側面。
教育を制度として行うのは国。中国政府が積極的に日本という存在に
ネガティブなイメージを宣伝してきたとも言える。

この意図は?

「正しい歴史教育をしているだけだ。」というのも相手の主張としてはあるだろう。
でも、それ以上の意図があると思う。

中国には漢民族以外に多数の少数民族が暮らしている。
更に、現在の経済発展の恩恵は、おおよそ沿岸部に住む一部の漢民族にしか
いきわたっていない。漢民族対その他の少数民族、富める漢民族対その他の漢民族、
といった経済的な不平等のみならず、一党独裁による政治参加(活動)の不平等もある。

海外からの情報の入手は制限されているものの、完全に断ち切ることはできない。
世界の情勢が一瞬にして広まることは無くとも、徐々に外の世界、そして
自分の住む国の様子が知れ渡っていく。通信社に代わり、インターネットという
情報入手手段ができたことはその流れを一層早めている。

その結果、“自分の属する集団が社会の中で不平等な扱いを受けている”
と知ったら人はどう行動するだろうか?

抗議行動を起こす、とまではいかなくとも、不満は感じるだろう。

このような問題に直面した場合に、不平等な状況を実際に改善することは
できなくとも人為的な操作によって、ある程度不満を逸らすことは可能だ。

つまり、各個人が認識する“自分が属する集団”という視点を、
中国内部の民族や貧富の違いではなく、中国人とその他の人、
という枠組みでとらえるようにする方法を使えばいい。

中国人、という概念と対になる相手には、中国人というグループの仲間、
としての友好的な存在ではなく、中国人というグループにとって
敵対的な存在が便利である。

自己の属する集団を認識するには、自分たちとは異なる存在を見つけることで、
その違いを元に人は自己と他者の区分けをするのだから。

使いまわされた言葉でいうなら、敵の敵は仲間、というのがありふれている
けど合っていると思う。

今の中国政府には、自国内の不安定な要素を抑え込む(視点を逸らす)ために、
日本という対外的な敵が必要なのだと思う。

こうやって考えると、今まさに起こっている尖閣諸島の主権の問題は、
日本と中国という一見国際的な問題ではあるけれども、その根本的な原因の一つは
中国自身の国内問題が大きく影響していると思う。

ざっくりと纏めれば、日本と中国という国対国という関係には、
中国自身の困難な国内問題が影響しているから、より一層不安定に
なっているんだと思う。

ここまで書いたところが冒頭に挙げた1つ目のテーマなんだけど。。。
長いね。。。読んでくれた人もちょっと疲れたと思うけど、
自分もちょっと長く書きすぎた気が。

という訳で、2点目はまたその内に書こうかな。
気が向いたら読んでみてください。

ではでは。またね。
Tom